新之介文庫だより
■ 漆
我が国の漆の歴史は古く、縄文時代からのものです。
北海道 北海道南茅部町から9000年前の漆装飾品が出土しています。
これまでは揚子江下流から出土した物が約7000年前のもので、世界最古といわれていましたが、2000年も遡りました。
漆のDNA分析の結果、中国の漆と日本の漆は異なる種類と解り、日本の漆は中国漆の子孫ではないことが判明しました。(青森市三内丸山遺跡から出土した漆の分析から、静岡大学佐藤洋一郎助教授)
土器も中国は8000年、日本は18000年前からで世界最古です。
大陸や中東、西洋が文明の発祥地といわれていますが、これも怪しいものです。
飛騨をルーツとする私たちの先祖は、二万年も前に大陸に渡ったとも考えられます。
なぜなら土器を焼く薪の調達技術があれば、丸木舟は容易にできるからです。現に7500前の縄文期の舟が千葉県から発掘されています。
九州西岸から日本海沿いに渡来人が侵入し、殺人や略奪を繰り返し始めたのが今から2400年ほど前と伝わります。(飛騨の口碑)
若しかするとこの渡来人は縄文人の子孫かもしれません。
■ 絹
「忌宮神社(いみのみやじんじゃ)」山口県下関市長府宮の内、に伝わる「蚕種祭(さんしゅさい)」の由来
「仁和3年7月、采女(うねめ)時原宿禰春風が言った。」
「先祖は秦の始皇帝11世の孫、功徳王(功満王-こまおう)です。」
「仲哀天皇4年(195年)に帰化入朝し、珍宝蚕種などを献上しました。」
(「三代実録」巻53)
豊浦宮にて蚕が献上された。ここがシルク・ロードの東の入口である。
これからすると西暦195年以前に蚕を飼い絹織物を織っていた可能性があります。
日本では早くから養蚕をし、絹を製造していたと考えられる由来です。
絹を世界中に輸出していたとも推測できます。
忌宮神社・蚕種祭 http://t.co/VYtZ8Yldjj
■ 飛騨の口碑
この三年、口碑を史実の柱として古代史を見ています。
現在のところ、山本健造氏が遺された「飛騨の口碑」に勝る文献はありません。
「古事記」、「日本書記」は、根も葉もある歴史小説本ではないかと思い始めています。
写真: 漆の若葉