ギャラリー珎玄齋 オークション出品履歴
№-81 ミャンマー緑彩碗15~16世紀
白釉緑彩陶は「緑のやきもの」といわれ、近年タイ北西部オンコイ近郊で多量に出土した。
産地はミャンマーかタイのペグー近郊とされたが、正確な制作窯と年代が解明されていないため幻の緑彩陶といわれる。
他に白地に緑の絵付けをしたものがあり、錫を含むこの種のやきものはイスラム陶などにあるともいわれている。
出土した中では単色の緑釉のものは少ないという。
作品説明
時代 15~16世紀
オムコイ出土品
赤味の強い器体に緑釉を掛けた碗である。
永く土中にあったため風化はあるが、緑釉は綺麗に残り光沢を見せている。
外側に窯キズと、見込み底に釉のハガレがあるが欠けはなく良品といえる。
類品を使用しているが、使う毎に光沢が増しているように思う。
濃茶、薄茶の茶碗としておすすめできる。
洗浄済。
サイズ
径:13.6 高さ:7.6センチ
№-84 タイ・サワンカローク鶏と10匹のヒナと卵15~16世紀
作品説明
時代 15~16世紀
オムコイ出土品
褐釉で作られた鶏の親子である。
ヒナを周りに9匹、背中に1匹載せ、前に卵を見せた鶏の親で、こちらを見ているような表情にも見え、小品ながら母鳥の凛とした姿が微笑ましい。
15世紀頃に盛んに作られたこれらの動物物は、家族が健やかであれという人々の願いがこめられたお守りとも、玩具ともいわれる。
造形的に優れているため近年評価が高い。
経年による風化があるが、カケもなく良品といえる。
サイズ
タテ:5.2 ヨコ:5.8 高さ:6.1センチ
№-83 安南染付絞り手鳥文筒碗16~17世紀
安南(ベトナム)染付は、14世紀後半に始まったとの説があるが、通説では1407年の中国・明朝のベトナム侵攻前後に、中国陶工の移住があったことから、15世紀初頭となっている。
安南染付は釉薬に灰分が多く含まれるため流れやすく、釉下の呉須下絵も滲んだものとなる。
これを我が国では藍染め絞りに見立て絞り手と呼んでいる。
蜻蛉手は17世紀後半から日本でしか見られなかったため、茶人がベトナムに注文していたとい考えられていた。
30年ほど前からミャンマーとタイ国境沿いの山(チェンマイ県オムコイ、ターク県メソート地区)から数多く出土したため、主な輸出先は東南アジア諸国だったとわかってきた。
作品解説
時代 16~17世紀
オムコイ出土品
絞り手の一種で安南の独特の鳥の絵付けの筒形茶碗で、茶人好みの安南絞り手である。
経年による風化はあるが、古色は風格を見せ、手にすると安南特有の透明釉がしっとりとなじむ。永く土中に埋まっていたため、貫入全体に透明な結晶が入り込んでいる。
使用には再洗浄が望まれる。冬季に使用する筒茶碗として珍重されると思われる。
キズ、欠けはなく、完品といえる。
洗浄済。
サイズ
口径:10.0 胴径:10.4 高さ:9.8センチ
C-26 タイ出土中国明・呉須赤玉「形物香合相撲・番付表」香合17~18世紀
従来、安南(ベトナム)で焼かれたとされた赤絵の合子。
中国元様式の赤絵をもとにした紅安南の合子は、16~17世紀の室町~江戸時代に輸入され紅安南といわれ、茶碗などと共に珍重された。
合子はタイのオムコイなどで数多く出土し、中に石灰が残っていたものもあり、上流階級の使用したキンマ(ビンロウジと石灰とキンマの葉を噛む習慣による嗜好品)入れだったという。
キンマは当時からタイで広く愛好され、キンマの道具入れなどの用具が発達し、陶磁器のほか漆を塗ったものも作られた。
日本に輸出された安南染付、紅安南茶碗と共に茶人に香合として使われた。
近年、発掘調査の結果、これらの作品は中国福建省漳州窯で焼造されたものと判明している。
漳州窯は明代から清初の窯。
窯跡は、福建省漳州市平和県を中心に漳州地区に広範囲に分布。
景徳鎮窯製品を模倣した粗製の青花磁器(呉州染付)や五彩磁器(呉須赤絵)、白釉磁器(白呉須)、藍釉白花・褐釉白花(餅花手)、素三彩(交趾香合・交趾三彩)などが生産され、東南アジアや日本、西アジア、ヨーロッパなど世界各地に輸出された。
作品説明
時代 17~18世紀
タイ・メソートと国境を接するミャンマー領内パゴダ遺跡基壇から出土(中国景徳鎮窯製染付、合子などと共に出土)
安政2年版「形物香合相撲・番付表」西二段目21の呉須赤玉と同種のものと思われる。
きれいで白い胎土に透明釉を掛け焼成後、赤や緑の上絵をつけ再焼成している。
赤色が経年により褪色し、かすれ部分もあるが、鮮明で強く印象的で、古色を堪能できる良品といえる。山土ではなく砂質土中にあったため綺麗に洗浄できている。
明末から清初の福建省漳州窯作品と考えられる。
香合として珍重されると思われる。
サイズ
径:6.2 高さ:4.0センチ
C-29 タイ出土中国明・呉須赤絵瓢形香合17~18世紀
作品説明
時代 17~18世紀
タイ・メソートと国境を接するミャンマー領内パゴダ遺跡基壇から出土(中国景徳鎮窯製染付、合子などと共に出土)
従来、呉須赤絵と称されてきた瓢箪形合子で、希少といえる。
きれいな白い胎土に透明釉を掛け焼成後、赤や緑の上絵をつけ再焼成している。
全体に赤色が経年により褪色し、カスレ部分が出ている。
明末から清初の福建省漳州窯作品と考えられる。吉祥のシンボルである瓢香合として姿も良く、珍重されると思われる。
サイズ
径:5.5 高さ:6.0センチ
C-30 タイ出土中国明・呉須赤絵白雁「形物香合相撲・番付表」香合17~18世紀
作品説明
時代 17~18世紀
タイ・メソートと国境を接するミャンマー領内パゴダ遺跡基壇から出土(中国景徳鎮窯製染付、合子などと共に出土)
安政2年版「形物香合相撲・番付表」に「勧進元・紅毛白雁」とあるが、この作品と同種のものが数点出土していることからすると、「紅毛白雁」とはこの作品を指すのではないかと考えている。
白雁はオランダからの輸入品ではなかったのではないかと。
白い胎土に白濁釉を掛け焼成後、赤や緑の上絵をつけ再焼成している。
赤色が経年により僅か褪色し、カスレ部分もあるが、山土ではなく砂質土中にあったため劣化が少なく、伝世品といっても遜色はない。香合として茶人に珍重される逸品と思われる。
漳州窯系の作品と考えられる。
サイズ
タテ:8.0 ヨコ:4.8 高さ:6.6センチ
ただいまの出品につきましては
ヤフオク
ギャラリー珎玄齋
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/g_chingensai
よりご高覧ください。