新之介文庫だより
2015年4月6日
おかげまいりの路-大動脈
新之介文庫の佐々木です。
昨年、『伊勢神宮』を出版したことから、伊勢神宮と飛騨へお蔭参りに行ってきました。
おかげまいりの路、第2弾です。
私の住む藤枝の近くは江戸時代の伊勢行きの大動脈でした。
東海道の宿場、興津~由比の間にある「薩埵(サッタ)峠」。富士山の眺めが素晴らしい、展望スポットです。しかし、今も昔も自然の脅威にさらされています。
「江戸時代」
一つ目のルートがこの風景画の通りの、峠越え。絶景ですが、危険が隣り合わせです。二つ目はもちろん海沿いのルートで、潮が引いているのを見ながら急いで通る。三つ目は古代からある径、もっと山寄りのルートで、ここは現在では、小型の車なら通れますが、それは現代になってからのことです。
そして「現代」
海岸沿いに、日本の大動脈と言われる、東海道線、国道1号線、東名高速道の3本が並行しています。
昨年の台風の豪雨で、がけが崩れ、鉄道が不通になりました。
お蔭参りの盛んな時期は過去にも在り、風景画の江戸時代は現在とは違う、災害などが当然あったと思われます。当時はその都度その難題に立ち向かい、想像もつかない努力や知恵を結集して、地理的条件を克服してきたと思います。現代に生きる私たちにできることとは、比べようのないものが当然あったと・・・。そして今、自然災害に対峙する考え方が、単なる大動脈の一時的な整備だけに終わらないで、長い年月を経た経験と知識を得た人間の知恵で解決に向かって欲しいものです。
景観がいい、ということは短時間ではつくれない自然のものが第一だと思うのですが。
写真TP:伊勢神宮おかげ横丁の賑わい
2015年4月6日