新之介文庫だより
新之介文庫の佐々木です。
東日本大震災の後、津波の影響で各地に甚大な被害が・・・。
そして原発の事故、これは今まで経験のない、終息までの道のりが想像できない事態。
さらには大きな余震。この先一体どうなるのか。
それにしても解体工事中の水晶殿は無事であった。
しかし今後の改修工事を、見直ししなければならない思いがけない事態が起きていた。
水晶殿の内装解体が終わった1月、柱や梁の既存コンクリートの状態が明らかになった。
想像以上に品質の劣化がすすみ、施工状態も良好とはいえない。
当初の設計は梁から上の作り変えで、骨組みは大丈夫としていた。
工事発注前に建築家はこの点を指摘し、柱の根本から作り変えが必要になる可能性があると報告していた。
第3者機関による調査結果は、「否」と結論された。
根本的な設計変更を余儀なくされることになったのです。
当然、当初耐震診断をした結果の可否が問われ、また設計途上にこのような予測がなされなかったのかの責任追及がでました。
診断者の竹中工務店は診断結果での見通しに甘さのあったことを述べ、建築家はこれまで何度も指摘してきたことが現実になったとしました。
しかし、ここで建築家の発言を聞いていない、という施主側の関係者がでてきました。
建築家は丁寧に過去の状況を説明しましたが、納得されない方がいました。
このまま続けていいのか。結論は簡単には出せない。
さまざまの角度から検討をした結果、「ここで工事は一旦、休止しよう」、ということに。
工事がいったん中断され、建築家は窮地に追い込まれました。
この時、太田は覚悟の行動にでることになります。
心配する私たちスタッフには、「心配しないように、なるようになるから」と。
詳しい事情は次回に。
(写真 施主側による内部内装解体後の現場視察)