日本のすがた・かたち
対談
建築家・太田新之介さん #1「日本、そして日本人について」
風のハルモニアの第2回は、木に精通する建築家であり、茶人でもある太田新之介さんにお話を伺ってきました。
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「これから自分はどうやって生きていくのか?」
だいぶ昔ですが、そんなことが気になって、わからなくて仕方がない時期がありました。
ちょうど日本を未曾有の大災害が襲った頃だったからでしょうか。
会社を辞めて、もう企画やらクリエイティブの仕事なんか絶対やらないと腐っていた頃だったからでしょうか。
モヤモヤにつぶされそうで、これからの日々に拠って立つものをすがるように探していた時期…
とにかく毎日が悶々と苦しかった。
僕はラッキーでした。
太田さんは、熱海・伊豆山にある石川の実家を設計してくださった建築家であり、伯父でもあります。
正月だったか、親族の集まりで久々に太田さんの隣に座りました。
太田さんの口から語られる、茶事のこと、木の文化のこと、日本の建築のこと、日本人の美意識や価値観のこと…
小さい頃に聞いていたのとは明らかに違うビビッドさで、僕のこころを激しく揺さぶりました。
ああ、自分はこれをやっていきたい、と思えるものが見つかった瞬間でした。
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対談記録の書き始めはこの一文からです。
石川渉さんはTHOUGHTS・ソウツの代表取締役であると共に空間デザイナーとして、私と対談しました。
「コンセプトをつくること、ストーリーをつくること、人にことばをプレゼントすること、社会や暮らしを楽しくする」というのが会社の方針と聞きました。
彼は私の思う若者のひとりで、多くの人たちに良き影響を与え、町々の未来をデザインしてくれ、日本の未来に貢献してくれるものと思っています。
ブログの記事を見て、私も未だ熱いな~、と感慨に耽りました。
そして彼のような若者たちがいる限り日本の将来は明るいと思い、私もこれからだ、と老骨に鞭打ったところです。
一緒に仕事をしてみたいと思わせる若きクリエイターでした。
撮影 小林智之
風のハルモニア・THOUGHTS
http://thoughts.jp/kaze/