新之介文庫だより
2011年11月21日
『水晶殿』-23 熱海の華
新之介文庫の佐々木です。
熱海は温泉と世界に名高い芸妓の街。
昭和30年12月半ばの夜、水晶殿に案内された一人の若い芸妓。
「暗い夜の山道をタクシーでくねくねと上り着いたところが水晶殿でした。
入った途端に熱海の夜景が飛び込んできたのです。
その余りの美しさに胸を打たれ、
これから一生熱海で生きよう、と思い定めました。」
そう述懐したのは、後に熱海の芸妓の頂点となった松千代。
自分の人生の方向をも左右させた水晶殿。
「熱海には過ぎたるものがふたつある 水晶殿と芸妓松千代」
そう著者は詠んだ。
やはり、水晶殿は 『小さくて巨大な建築』 だった。
(写真 2009年11月 MOA美術館能楽堂 祭事/第3回「和の心にて候」)
お知らせ
水晶殿の改修工事は順調にすすんでいます。
こちらが「現場だより」
http://www.suishoden-genbadayori.com/
2011年11月21日