Sのプロジェクト
2017年6月18日
茶事・座敷のあかり
「三島御寮」造営計画の当初から茶事・茶会に使う照明の開発に着手しました。
建築工事着手は三年遅延していますが、先に照明器具の試作品が完成しました。
私は建築の計画段階から照明器具の開発をすることが多く、岐阜「瑞龍寺」、御殿場「感応寺」や茶室「白鶴亭」、「吉々里庵」、「樵隠庵」などまた近年は熱海「水晶殿」の照明デザインをしてきました。
照明は単なる灯りではなく、物を見る光の質と生きものの精神に及ぼす影響が大であることから、その建築の空間に最も相応しい「ひかり」は何か、を求めてきました。
そして先日、東京の下町工場の職人たちが技術を駆使し製作し、製作デザインを担当した田附冬樹さん((株)ヤマギワ)のチェックを受け、送られて来たのがこの(仮称)「茶事・座敷のあかり」です。
これから冬季に催す半昼半夜や夜咄の茶事に使用し、新製品として世にだせるか実験を重ね、改良を重ねて行きたいと思っています。
私にとっては「禅のあかり」、「茶事のあかり」など「日本のあかり」シリーズの連続の中にある一燈となります。
美しく、温かく、新しく、が指針です。
そして最先端技術を結集することはいうまでもありません。
この燈火の下で繰り広げられる茶事の光景が、多くの人々の心に残りますようにと念じながら…。
写真:試作のコードレススタンド照明
2017年6月18日