太田新之介作品集
2017年6月3日
作品-18 建午の茶道具
1.ステンドグラス水指 高さ 20センチ 幅16センチ
今回の茶事にはMOAあたみ幼児学園の関係者が参席するので、以前作っておいたステンドグラスの水指を出すことに決めていた。
数日前に出して水を入れたら、ガシャ漏れ。
これはマズイと漆で補強し前日に漸く水漏れがなくなったので、一晩水を張り置いておいた。
当日の早朝、「わぁ、漏れているではないか!」。
別のものにしようか迷ったが、朝7時に修理を終えた。
MOAあたみ幼児学園の階段ホールの壁に二枚のステンドグラスが入っている。私がデザインして、工芸家と一緒に作ったものだ。
その余りのガラスで作ったのがこの水指だった。
杓が水指に入る度にキラキラと水が躍る。
客は喜んでくれたようだ。
ステンドグラスは何ケ所かデザインしている。私にとっては照明の「禅のあかり」、「茶事のあかり」とともに、ものづくりの手遊びだと思っている。
2.茶杓 煤竹 銘「大麦小麦二升五合」 長さ 17.4センチ
茶事前日に仕上がり、筒に銘を書き席中に拝見にだした新作の茶杓。
この日の掛物は金剛経の一句で禅語の「応無所住而生其心」(おおむしょじゅうにしょうごしん)。
「大麦小麦二升五合」はその音写でもじったもの。
有難いお経も覚え方で大層変わる見本のような一語。
茶杓は一会の中では最もストーリー性の高い道具といえる。
「大麦小麦・・・」が客の耳に残ったようだ。
これだから茶事は止められない。
2017年6月3日